訪問介護のサービス提供する際には、バイタル測定をするということは、実は医療行為なのです。
法律が緩和されて、「訪問介護員でも、バイタル測定できるようになったのでは?」とお考えになっている方もいるかもしれません。
納得行かない方もいると思いますので、なぜ訪問介護では、バイタル測定が行えないのか、解説していきたいと思います。
このことが理解できれば、訪問介護計画書や記録も完璧になるはずです。
そもそもバイタル測定とは?
バイタル測定は、生命の兆候を水銀の血圧計や体温計などを用いて、血圧、体温、脈拍、呼吸数などを専門的に測定する方法です。
ですから、バイタル測定は、医療行為ということで、医師や看護職員しか行えないのです。
「施設では、バイタル測定を介護職員がやっているじゃないか」と言われそうですが、各施設サービスでは、は、看護職員の配置が義務付けられています。
ですから、この看護職員が原則的にバイタルの測定を行うわけです。
ですが、例外的に介護職員でも監督のもとに、バイタル測定を行うことは、否定されていないということです。
訪問介護員さんが行うのは、健康チェックです
ですが、バイタル測定ができないと、訪問介護員さんは、何かと困ってしまうと思います。
例えば、訪問介護で入浴介助などのサービス提供の際などには、バイタル測定して、その結果で入浴の可否判断をするという一連の流れがあると思います。
ですから、現場では一時期本当に混乱していたものです。
ですが、一番先にも少し述べましたが、規制緩和となり文言や実施する行為が整理されまして、バイタル測定ではなく「健康チェック」は、介護職員さんでも行えることになりました。
この健康チェックとは、水銀や電子体温計で体温を測定する、デジタルの血圧計で血圧を測定する、血中の酸素飽和度を機器で測るなどを指します。
専門的な器具を使用しなければ、健康チェックは介護職員さんでもできるというわけですね。
注意点
バイタル測定ではなく、健康チェックを行えることはわかったと思いますが、一つ注意点があります。
訪問介護員さんによってはつい「血圧が高いですね」など言ってしまうことがあるかもしれません。
ですが、血圧が高い低いなどの判断は、医師が診察をして診断されるものです。
ですから、このようなことは医療行為となりますので、絶対に言わないようにしましょう。
訪問介護員さんは、ご本人様は絶対の信頼を置いていますので、「ヘルパーさんが血圧高いと言っていた」なんて受診の時に医師に言ったりすると、要らぬ誤解を産むことにもなりますので、ご注意ください。
まとめ
このように整理していきますと、訪問介護の計画書や記録になどに記載する場合は、「健康チェックを行う」などと記載すれば、監査や実地指導でも完璧ということです。