訪問介護のサービスを提供していますと、ご利用者様から、「ドライクリーニングを、店舗に出して欲しい」と頼まれたり、「クリーニングの完了したものを引き取りに行って欲しい」と依頼を受けたりすることがあるかと思います。
このような場合は、訪問介護でクリーニング出しをすることができるかどうか解説していきたいと思います。
介護保険上の位置付け
クリーニング出しは、実は、結構曖昧な部分が大きくで、一概に生活援助では算定できないとも言えません。
自治体の多くでも、クリーニング出し、引き取りに関しては、言及されていないことが多いです。
介護保険法の原理原則による解釈
ですからまずは、介護保険の原理原則に則って考えてみます。
まずは、サービスの代替え性についてですが、これは宅配クリーニングのサービスが存在していますし、インターネットの時代ですからネットでクリーニングも頼めてしまいます。
ですからサービスの代替えは、多くの地域ではできるという判断になります。
次に、日常の生活の範囲内のサービスかどうかという判断になります。
きちんとしたシャツやおしゃれ着で、昔から日常生活されてきて、クリーニングに出してきたというご利用者様の場合は、日常生活の範囲内という解釈もできます。
この場合は、買い物同様にクリーニングも日常生活の援助の範囲内に収まると判断できます
さらに、ご利用者様の自立支援に資する場合です。
例えばですが、認知症のご利用者様が、着替えをするときに嫌がるような行動があるとします。
この場合に、生活歴を紐解くと、きちんとクリーニングされていたシャツを毎日着ていたので、クリーニングされていないようなシャツは嫌だったということが判明しました。
クリーニングしたシャツを渡すと、嫌がるどころか自分で着替えができるようになったというような事例だとします。
このような場合は、訪問介護で、クリーニング出しや引き取りを行うことで、ご利用者様のできることも増えてくるような効果あらわれるような場合は、自立支援につながっていると判断できます。
最終的に訪問介護でクリーニング出しはできるか
検証してきたことを総合しますと、他に代替えサービスがなく、ご利用者様が日常的にクリーニング店を利用、もしくは、クリーニングした衣類によって、自立支援に資することができるという、アセスメントの結果をもとに、居宅サービス計画に位置付けられている場合は、算定することができるということになります。
まとめ
このように、今回は判断をしましたが、個別の案件に関しましては、すべて保険者に相談し、適切な介護保険の算定をするようにしてください。